以下、ネタバレと個人の感想(どちらかというと否定派)なので、まだ観ていない方、竜とそばかすの姫大好きだよ! という方はUターンお願い致します!! ごめんなさいッ!!
個人的に良かったところと良くなかったところを、自分の考えまとめるために書こうと思います。
あくまで個人の感想です。
最初に、とても素晴らしかったところ。
圧倒的な映像美と、迫力ある楽曲の数々です。
これは本当に凄かったですし、これだけで大画面で観る価値はあると思います(*^^*)
映像と音楽しか注目しないよって人にはお勧めです。
制作チームの能力の高さが凄かった。
次、イマイチだったところ。
おおかみこどもほど嫌いではありませんが、厳しい現実を取り上げた割にまとめ方があまりにご都合主義というか……その題材に切り込んでいくならまとめ方をもっと丁寧にやってくださいよって感じでした。
まず、Uという世界観について。
主人公については過去や内面が丁寧に描かれていて寄り添い易かった反面、Uの存在や周りの人間が希薄だったように感じました。
Uについては最初の説明以外ほぼ触れられない感じ。
唯、皆好きなことをやってるよくらいの認識しかないし、そもそも主人公以外のアカウントがどんなことをやってるのかすらよくわからない。
サマーウォーズのような必然性(現実と仮想世界で、公共施設や国家機関のコンテンツがリンクしているなど)がないので、其処までU必要あるか? と思ってしまいました。
しかも普通に誹謗中傷出てくるし、ついったみたいでした。地獄絵図。
次に、周りの人。
主人公が竜の正体を探すというストーリーのために、都合の良い人間を舞台装置として配置しただけのように見えて残念でした。
吹奏楽部さんとカヌー部くんは、ほぼ竜を特定するための要員ですよね。
あと親友さんは失礼過ぎて僕的には本当に無理でした。論外。
Uで顔出しを迫られた場面で、主人公の過去を知っているにも関わらず「過去のつまらない何の取り柄もない人間に戻っちゃっても良いの!?」と言い放てるその精神がやばいと思いました。
毒舌キャラという肩書きではフォローできないほど酷いと思ってしまったのですが?
過去にもがいていた主人公を全否定してますけど?
そこは「あなたがどんなことになっても私はあなたの人柄知ってるし一緒にいるよ」とかじゃないのか。
親友じゃなかったの?
次に、ダンスホールの場面。
これは賛否分かれるところだと思うのですが、僕は否の方。
カメラワークや台詞、ストーリー進行までまるっと美女と野獣のオマージュ。
これ許されるの?
製作者が美女と野獣が好きなのでリスペクトとして入れた場面らしいのですが、まるっと同じ構成を拝借し、しかも主人公のアバター名がBelle。
さすがに冷めました。
その場面以降の歌唱シーンでも、今まで誹謗中傷していたアバターが次の瞬間には主人公の歌に共鳴して涙していて、手の平返しの早さについていけなかったというか……ふーんって感じでした。
それから最も嫌だったところ。
竜の正体と、その救い方。
虐待という重い題材を作品の切り口として取り上げたのは素晴らしいと思います。
でも、唯興味があったから触れただけで別に掘り下げようと思ってない、というつもりなら心の底からやめてほしいです。
如何して宣伝でファンタジックな場面を全面に推してたのに、内容をこうしたのか本当に意味がわかりません。
竜の場所を特定する場面があまりに出来過ぎていますし、その方法があまりに無謀。
映画はフィクションなんだから何でもありなのは当たり前でしょ、と言われても、取り上げた題材が題材なだけに首を傾げてしまいました。
100歩譲って、軟禁された部屋の映像と音から場所が日本の関東圏のビル群近郊だということを特定できるのは良いです。
それはまあ、登場人物の能力の高さで補完できますし、有り得なくもないと思います。
でも何で其処から主人公(女子高生)たったひとりで夜行バスと電車乗り継いで竜を助けにいかなければならないの?
相手は自分の子供を軟禁して虐待してる成人男性だが?
妻を事故で失ってる主人公の父親や歌唱クラブのおば様達ですら、平然と主人公を送り出していることに狂気を感じました。
絶対ないと思いましたし、警察やUと連携取るのが先ですし、そもそも大人の付き添い必須ですよね。
「いってらっしゃい、気をつけてね!」じゃないが?
遠足だと思ってるの?
主人公の母親が亡くなった事故についても、他の人に助けを求めずひとりで行動をしてしまったために起こったことであると一番初めに描いていたはずなのに、何ひとつ教訓を得ないまま主人公や周りの人間が行動しているところが唯々残念でした。
それこそ現実世界、U問わず皆で協力して竜を救うことが、竜の言う「偽善」や主人公の「過去」を乗り越えることに繋がるのではないのかと……。
前半場面が何も活きてない。
あと、激昂した虐待男が主人公の姿を見た途端、腰を抜かして逃げていく場面。
逃げないだろ、普通。
女子高生恐怖症か何かか?
考察ページに「虐待男はU世界のジャスティンで、主人公の顔を見た途端(U世界の)Belleであることに気づき、自分の子供を救い出そうと身を呈した人を傷つけてしまったことに対する恐怖と自分の正体がばれてしまった恐怖、子供への虐待に対する罪悪感のために逃げ出したのでは」とあったのですが、そもそもUで顔を晒した主人公を既に見ているので、そんなに驚くの不自然では。
仮にジャスティンと虐待男が別人として、主人公の気迫に押されて逃げました、という理由だったらお粗末とご都合半々といったところ。
最後は本当酷かった。
竜の処遇について何も改善していないのに見つかって良かったねって大団円で終わらせるところが嫌いです。
良くも悪くも細田守さんという作品だったので、サマーウォーズのような作品の方が珍しいのかもしれないですね。
今後の作品は、もう映画館では観ないな。
長々と書きましたが、僕の家庭にも通じるところがあり、思わず記事にまとめてしまった次第です。
まんま僕の家じゃないかと失笑してしまい、映画どころではなかった。
家族だから何でもして良いわけじゃないんだぞ…と常々感じます。
僕の親御様は「相手に怪我を負わせなければ暴力ではない」などと宣っている輩ですが、暴言や人格否定も歴とした暴力ですからね。
少しこの映画客観的に見て学んでほしいなと思いました。
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